こんなミッドシップ作るのはルノーくらい?5(サンク)ターボ

昔の軽自動車にソックリ?いえいえ逆ですというルノー5(サンク)

フランスのルノー公団(当時。現在は民営化されてルノー・日産連合)が販売した大衆車、5(サンク)は大ヒットしたため1972年~1985年まで生産された初代モデルと、1984~1990年まで生産された2代目(通称シュペール・サンク)がありました。 2代とも何となく日本の軽自動車に似ているような…特にアルトやミラといった550ccボンネットバン時代の傑作と酷似しているように見えますが実は逆で、日本の軽自動車の方がルノー5の影響を受けているのです。 実際、2代目ダイハツ ミラなどフランス車のラリー車がよく貼っていたようなスポンサーステッカーなど貼ってみると、ルノー5ソックリに見えてきます。 ただし初代モデルはメカニズムそのものは前作ルノー4(キャトル)を踏襲した縦置きエンジンFF(フロントエンジン・前輪駆動)車で、しかもエンジンがフロントタイヤより後ろにあるフロントミッドシップ車。 エンジンがキャビンに近すぎて車内が暑くてたまらない、などと問題はあったようですが、その引き締まったスタイルもあって人気車種となりました。 スポーツモデルの5アルピーヌや、それをターボ化した5アルピーヌターボもあり、後者はWRC(世界ラリー選手権)にも出場して好成績を収めていましたが、それをさらに市販車の販売増加にもつなげるべく、アッと驚く大改造をやってのけたのが5ターボです。

マンガじゃない!!エンジンを後ろに搭載した市販車もあり!

その手法とはいたって簡単…とはいえ普通は誰もやらないもので、フロントに搭載していた5アルピーヌターボ用の1.4リッターエンジンを、180度回転させた上で前席の後ろに載せ替えていました。 後席が無くなり2シーターになったのはもちろん、縦置きエンジンでしたからラゲッジスペースまでほとんど無くなり、ドライバーと助手席の乗員(ラリーならナビゲーター)は真後ろのエンジンの轟音と熱気にさらされるという、凄まじい車です。 ボディは一応ルノー5の形をしていましたが、エンジン搭載方法も駆動方式も異なり、リアサスペンションもトレーリングアーム/トーションバー式からダブルウィッシュボーン/コイル式に変更。 110馬力の5アルピーヌターボをはるかに上回る160馬力の大馬力を受け止め、かつマトモに走らせるため前後フェンダーは大きく拡幅、特にリアは200mm以上拡幅されて、後ろから見ると5とはまるで違う車です。

しかも、グループ4ラリーカーとして公認を取るため最低400台を生産せねばならず、それはルノー史上最高価格とはいえ市販されました。 おまけにその大衆車ベースらしからぬ猛々しい見た目からスポーツカーマニアにも大ウケで、より一般向けに内装などが見直された5ターボ2まで作られています。 まるで漫画に出てくるチューニングカーのような手法で作られた5ターボでしたが、確かにルノー5そのもののイメージアップに成功し、人気復活大ヒットとロングセラーに貢献しました。

ラリーでの優勝実績まであり!

5ターボは決して見掛け倒しのラリーマシンではなく、しっかり誇れる実績も持っています。 WRCでは1981年のスウェディッシュ・ラリーで優勝したほか、1982年にはツール・ド・コルスでも優勝。 優勝回数たった2回はどうかという意見もありますが、その当時はアバルト131ラリーの全盛期、アウディ クワトロなど4WDマシンの登場、過激なグループBラリーカー時代の到来というラリーカーの進化が激しい時代で、そんな中の2勝です。 後の規則が安定して定番マシンが活躍するようなWRCとは違い、何が正解かよくわからない時代のWRCでの2勝は、非常に価値あるものだったと言って良いでしょう。 後にラリーカーは大衆車ベース(というよりそのガワをかぶった)にミッドシップ化しただけでなく4WD化したプジョー205T16やランチア デルタS4といったグループBラリーカーの極致が登場しますが、5ターボはその先駆けでもありました。

しかしMR(ミッドシップ・後輪駆動)車となると他の例は少なく、市販一歩手前に見えたダイハツ シャレード926Rや、日産K11マーチの氷上レース用マシンなど特殊なケースに限られます。

その次に市販されたのは2000年に発売されたクリオ・ルノー・スポールV6で、やっぱりルノーくらいしかこの種の車を作らないという証明になったのでした。

5ターボは今でもイベント参加のため移動中の姿を目撃することがありますが、後ろから近づいていくと、遠くからでもその異様さは際立っていますね。 ラリーカーやスポーツカーマニアだけでなく、ホットハッチ好きなら1度は憧れる1台です。

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